睡眠と体温の関係性とは?快眠するための3つのポイントを紹介!
睡眠と体温には関係があるのをご存じない方も多いのではないでしょうか。体内部の温度のことを「深部体温」といいますが、実はこの深部体温の推移と睡眠に関係があるのです。この関係性を把握すると、より一層心地よく眠りにつくポイントを知ることができます。
今回の記事では、快適な睡眠を得るために、睡眠と体温との相関関係と具体的な睡眠環境や睡眠習慣に役立てる方法について解説します。
目次
睡眠と体温の関係性について
睡眠中の体温と起きているときの体温は、変化を伴うということをご存じですか?
ご自身ではなかなか分かりづらくなっていますが、ウトウトと自然に眠気がくるときは、手や足の先が温かくなっています。では、実際にどのように体温が変化するのでしょうか。
睡眠中は深部体温が下がる
睡眠中は深部体温が下がります。深部体温を下げると、脳や身体を休ませることにつながるからです。また、睡眠中や入眠前には深部体温が上昇するのに対し、手足の皮膚温度は高くなっていきます。こうして深部体温と手足の皮膚温度との差が大きくなればなるほど、眠気が強くなったり、あるいは深い眠りについたりすることができるのです。
手足が熱くなるのはナゼ?
家族が寝ている間に、手の平や足の甲に触れてみてください。起きている時と比べて手足の皮膚温度が高く、場合によっては熱いと感じるくらい、温かさを感じることもあるでしょう。これは、手の平や足の甲から熱を放出しているからです。眠っている間、今から眠ろうとしているとき、体内の熱は手足の末端に移動して外部へと放出されます。
汗をかくのはどうして?
睡眠中の深部体温は、覚醒状態と比べて1.5〜2℃くらい低くなりますが、深部体温を下げるために毛細血管から体外へと熱放散が行われます。手足はもちろんのこと、頬や脇など毛細血管が密集している部分からも積極的に熱を逃がします。つまり眠い時や寝ている間は、発汗作用が活発化するのです。
深部体温と体内時計とは?
入眠から起床時の深部体温の変化は、体内時計と熱を作って放出するという一連のメカニズム、この2つによってコントロールされています。
体内時計は脳の「視交叉上核」という場所でコントロールしています。長いスパンでは、季節に応じた日照時間の長さに応じて1年を通した生体リズムを、そして、短いスパンでは1日の朝から夜までの体内リズムを制御しているのです。
一方の熱を作り放出するメカニズムは脳の「前視床下部」という場所でコントロールしています。こちらは、体内時計が進行するにつれて深部体温の基準値が変更されるため、これに合わせるように熱生産・熱放散を行います。
体温を下げるポイント3つ
深部体温の調節メカニズムをご紹介しました。では、入眠のときに深部体温をうまくコントロールして快眠できるよう、具体的な方法を実践してみましょう。深部体温を下げて快眠に誘うポイントは大きく分けて3つあります。
入浴の時間について
お風呂が終わってすぐに就寝しようとすると、深部温度が高まっているので、寝つきは良くありません。快眠を目的に入浴するのであれば、体が少し冷めた頃がベターです。入浴時はあまり熱くなりすぎない湯温に設定しましょう。目安は38.5〜39℃です。深部体温が入眠する1時間前くらいから下がるという特徴を利用して、タイミングを見計らうことも大切です。入浴は深部体温を高めますが、血管が拡張するため血流が良くなり、熱放散も比較的スムーズに進みます。
就寝2時間前に軽めの運動
睡眠前の軽めの運動は深部体温を高めるとともにエネルギーを消費し、発汗を促します。汗をかくと熱放散も促されるので、結果的に軽めの運動は深部体温を低下させることにつながります。ただし、気をつけたいのは、入浴と同じく時間をおいて適度に体から適度に冷めた時が入眠のタイミングです。季節や湿度によっても異なるので、入眠時間は適宜調整してくださいね。
適度な室温に!
適度な室温を保って睡眠環境を整えることも大切。快適に入眠できる環境温度は冬の場合は16〜20℃、夏は26〜29℃が目安です。ですが一概に快適であるとはいえず、衣類や寝具の素材が湿気を含みやすいものでは、熱がこもり快眠を妨げることがあります。あくまで目安の室温ですので、体調を崩さないように室温調整を行い、寝具や衣類とのバランスを整えましょう。
深部体温を下げて快眠を!
眠る前に体温を上げてエネルギー消費を促し、それに伴う発汗作用を利用して熱を放散させると深部体温を鎮めるよう誘導できます。エネルギー消費には、入浴や軽い運動が効果的だといえますが、眠りにつく数時間前に行うこともポイントです。上手に体温の調整をして、快眠につなげていきましょう。
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